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研究内容

Home > 研究内容 > 研究結果・ハイライト > 有機EL素子の取り出し効率を2倍以上に向上

有機EL素子の取り出し効率を2倍以上に向上

(Nature Photonicsに2010年2月21日on line 掲載、竹添・石川研)

"Light extraction from organic light emitting diodes enhanced by spontaneously formed buckles"

Won Hoe Koo, Soon Moon Jeong, Fumito Araoka, Ken Ishikawa, Suzushi Nishimura, Takehiro Toyooka, Hideo Takezoe,

Nature Photonics, Advance online publication, DOI: 10.1038/NPHOTON.2010.7.

 有機EL素子は一部の小型薄型テレビや携帯画面にすでに用いられているが、いまだに多くの問題点がある。素子内での発光効率は100%が達成されているが、界面での全反射のために、外部への取り出し効率は低く抑えられ、素子発光分の約20%の光しか有効利用できていない。これまでにも素子表面にレンズアレイや散乱体を配し、性能向上が図られているが、2倍の性能向上にははるかに及ばないのが現状である。このような試みの一つとして、表面に光の波長オーダーの周期構造を配し、回折を用いて光を前面に取り出そうという研究が多数報告されている。しかし、この場合、効率向上はセル内のある方向に伝幡する、ある波長の光だけに限定されてしまう。今回はこのような方向や波長に対する依存性がなく、2倍以上の外部取り出し効率を実現した。

 本研究で用いられているバックリング構造表面の作製法は既に知られている技術であるが、これを有機EL素子に応用した例はない。ガラス上に塗布した高分子にアルミニウムを蒸着し、100℃から室温まで温度を下げることにより、高分子とアルミの熱膨張係数の違いによって膜表面にバックリング構造を発生させた。これをマスターモールドとし、インプリント法によってバックリング構造を持つ基板を用意し、この上に有機EL素子を作製した。バックリング構造を持たない従来の素子とこの素子の特性を比較したところ、視野角特性もスペクトルもほとんど変わらず、効率だけ向上していることを確かめた。電流効率は2.2倍、電力効率は2.9倍にも及んだ。周期構造の周期や振幅の最適化により、さらなる向上が可能である。 取り出し効率が向上すれば、同じ明るさの素子を低い電流で駆動できる。このため電気回路の負担が軽くなり、有機EL材料の寿命が延び、低消費電力化という大きなメリットにつながる。

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