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研究内容

Home > 研究内容 > 光学デバイス

光学デバイス

 我々の研究室では、コレステリック液晶やポリマーなどを用いた有機光学デバイスの可能性も探索している。

  1. コレステリック液晶を用いた光デバイス

     コレステリック液晶では、らせん状に分子が配列する。このらせんが光学波長程度の周期を持つとき、液晶自体の持つ誘電的な異方性により、誘電体多層膜構造と同様に1次元フォトニック効果を示す。通常、フォトニック構造を作るためには、ナノメートルオーダーという微小スケールでの加工技術が必要となるが、コレステリック液晶のらせんは自発的に形成されることに加え、その周期は添加物や温度・電場などにより容易に制御できるため大がかりな加工は必要なく、この点で大きな利点を持つ。

     コレステリック液晶にレーザー色素を添加し励起させると、発光の閉じこめが起こりスペクトルの狭線化が起こる。我々の研究室では、これを利用した有機レーザー発光デバイスの研究を行っている。主として、デバイスの発光効率の向上および励起エネルギーの低閾値化、発振波長のチューニング可能領域拡大などのパフォーマンス向上を目的としており、具体的には、液晶と相溶性の高い高分子色素の導入、高分子液晶材料や光重合性材料の導入による揺らぎの固定化、金属鏡と組み合わせたハイブリッド素子の作製、ネマチック液晶とのハイブリッド構造や複層構造による欠陥モードの導入といったアプローチでこれを実現してきた(Adv. Mater.)。また最近では、低分子拡散法による空間変調構造の作成とその固定化により可視全域にわたる発振波長チューニングに成功している。今後は連続レーザー発振や電流注入型デバイスなどの実現を目指す。




    空間変調構造デバイスによる可視全域にわたる発振波長制御


     また、コレステリック液晶のフォトニック効果は円偏光と結合した特異なものである。従って、コレステリック液晶フィルムを様々に組み合わせることで通常のフォトニック結晶では見られないような効果を得ることができる。本研究室ではこれまで、上記レーザー発振以外にも、片側からしか光が透過しない光ダイオード(Nature Mater.)や、単一の周期を持ったコレステリック液晶の膜を積み重ねて赤緑青の3色を反射させることのできる白色反射板(Nature Mater.)などのユニークなフォトニックデバイスの創製に成功している。

  2. 有機ELデバイス

     本研究室では、有機ELデバイスの光取り出しの効率向上に関する研究も行っている。有機ELデバイスに関する研究は世間で広く行われているが、一般的な構造ではデバイス表面で光が全反射されてしまい効率が低下する。我々は、有機ELデバイス表面にアゾポリマーの光誘起周期構造を転写する、あるいはシリカ球LB膜を形成させるなどの方法を研究しており、前者においては既に外部光取り出しの効率を向上させることに成功している。また、有機ELデバイスに上記コレステリック液晶フィルムを導入することでロスの少ない発光の偏光制御にも成功している。


    光誘起周期構造を転写した有機ELデバイスによる外部光取り出し効率向上


  3. その他

     その他にも、光重合性の液晶を用いた位相型回折格子など、液晶やポリマーを用いた新規な光学デバイスの研究を行っている。
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