
概要
竹添・石川研究室では有機物を主に物性、機能の観点から研究しています。
有機物の中でも特に液晶に力を入れています。液晶は液体と結晶の中間相で液体の流動性と結晶の異方性をあわせ持つ物質です。通常の物質にはない「液晶状態」だからこそ、面白い物理があり、それから派生する多くの応用があります。世の中には多くの液晶相が知られていますが、まだまだ新しい液晶が発見されています。我々もこれまで反強誘電相とその副次相(1989年)、バナナ形液晶相(1996年)などを発見してきました。これらは現在、液晶の科学の大きな分野を形成するに至っています。液晶の中に、新しい相互作用を取り入れたり、異なった種類の液晶を混合したりすることによって、まだまだ新規な液晶相が見出される可能性があります。基礎科学としては、我々は新規相とそれらが示す新しい物理を見出すことを目的としています。それらの中から、魅力的な応用展開の可能性が出てくることも期待しています。上に述べた反強誘電性液晶でも高速ディスプレイへの応用が活発に検討されました。バナナ形液晶でも高速ディスプレイ応用に向けた研究が進んでいます。
ディスプレイ以外の応用も積極的に進めています。特に、コレステリック液晶のらせん周期構造を用いたフォトニックデバイスは色素レーザ、光ダイオード(光アイソレータ)、特殊な反射板、偏光制御素子などへの応用を提案しています。有機物ではまだ例のないレーザの連続発振を目標にしています。液晶は電子やホールの伝導に関して、かなり大きな移動度を持つことが知られています。このようなことから電子デバイスへの応用も視野に入れています。
液晶以外にも電子機能、光機能をもった有機物はたくさんあります。低分子、高分子の薄膜を形成し、有機トランジスタや有機エレクトロルミネッセンス(OLED)デバイスの研究も行っています。
