2000年度化学第1(2類1組)授業ホームページ

担当:理工学研究科有機・高分子物質専攻 石川 謙

このページの趣旨

今年の授業のポイント;コンピュータリテラシとのタイアップ

期末テストの採点が終了しました

期末テストの採点が終了しました。それにともない、成績も定まり教務に報告しました。9月29日(金)以降、部屋にいるときに来てくれれば(メールで予約をいれて、返答メールの確認を見てというのが確実だと思います。)答案の返却を行います。

成績は中間テスト40点、夏休みの宿題20点、期末テスト40点で計算しました。中間テストの救済措置は、出していただいたレポートを採点して、その点数と中間テストでのその問題の得点の差の8割を中間テストの点に加えるようにしました。差の8割としたのは、参考文献を見られるレポートでは正解して当然であろうと考えたことと、中間テストですでに正解を出している人との間に、ある程度のハンディはあるべきだと考えたからです。その結果得られた得点分布を示します。平均点は57点、最高点は86点でした。

さて、普通は、上記の3つの点数を足した後で、得点の調整を行います(いわゆる下駄を履かせると言うやつです。)。去年の例で言えば50点を合格最低ラインの60点に、受講者の中の最高得点者を100点にするように調整をかけています。今年、同様な調整をするとしれば、諸般の事情で40点を最低合格ラインとして(不合格者の数をもう一つのクラスとだいたい同じにするため)補正式を作ることになります。試しにやってみると式は
補正点=素点×40/46+25
となります。この補正をすると平均点は75点で分布は

となり、見た目には美しい(?)分布になります。

しかし、今年は補正は行わず、素点のまま教務に出しちゃいました(^_^;)

これは、はっきりいって暴挙です。もう一つのクラスと、平均点でおそらく20点は違うでしょうから2年になるときの学科選択の成績が、教務の定めたクラス編成に従ったばかりに20点も不利になるわけです。ですから、当然、救済措置を行います。そのために、既に教務から50人分の成績訂正報告書を貰ってきました。あとは、受講者の皆さんが諦めないで救済措置に向かってくださることを希望しています。

救済措置内容

今回の化学の試験に関する救済措置は受講者全てに要求する権利があります(テストで合格点を取った人もです。何しろ、最高点の人でもあと14点は点数を上げる余地があるのです。)。以下に救済措置の内容を示します。

救済措置を希望する人は石川宛に電子メールで授業内容で理解不充分と思っている部分を記したメールを送って下さい。
どこが分からないかを、具体的にきちんと説明するようにしてください。間違えても「全部分かりません」というように漠然としたメールは送らないで下さい。全部分からない場合でも、それ以前の数学・物理・化学の理解度をもとに何故分からなくなったのかを解析して理由を述べてください。このようなお願いをするのは、研究を進めていく上で、状況を正確に相手に伝わるようにまとめるのは必要な能力の一つと考えているからです。
メールをもとに課題をメールでお送りします。
頂いたメールをもとに課題を決定してお送りします。課題の形式は、これまでのテストや課題の再提出・教科書の問題・新たにつくった問題のいずれかになると思います。必要な場合には参考書も紹介するつもりです。
課題を考えてレポート(TeX)にして下さい。
与えられた課題を考えてレポートにしてください。自分でよく考えても分からない場合や、考えに不安にある場合には相談に乗ります(メールで予約してからにしてください。)。他の学生さんと一緒に課題を考えることもお勧めします。その方がお互いの理解度も深まると思います。(こう書くと友人のレポートを写せばいいのかと思う人もいるかと思います。予め予告するならば、課題の内容は人によってかなり違うのでしょうから全部を写すことは不可能だと思いますよ。)
提出された課題のチェックをします
きちんと出来ていたら、そこで終わりで成績変更手続きがなされます。できが悪かったら再提出となります。出来るまで考えてください。その代わり、出来るまでつきあってくれたら、必ず単位は出します。

救済措置の期間は年内とします。再提出のことも考えるとなるべく早く動き始めた方が有利だと思います。

夏休みの宿題

中間テストが40点満点だったので、ついでに期末テストも40点満点にすることにしました。残りの20点は夏休みの宿題分とします。という理由で、夏休みの宿題は皆さん提出してください。
宿題の問題は数式もあったものでTeXのファイルになっちゃいました。ひろってコンパイルして眺めてください(^_^)。

課題(宿題)

6月15日の課題
中間テストの追試代わりのレポートの期限は終了しました。提出状況を示しますので、出したつもりの人は提出が確認されているか調べてください。
レポートを出していない人は、中間テストの点数がよくて出す必要がなかった人か、出す必要はあるけれども出していない人です。必要がありそうなのに出していない人は、今からでも遅くはないから提出してください。出していただいた解答(2問分まで)について本来の点数の70%を最大として採点した点数を中間テストの点数に差し替えます。(期限までの人は授業中にお話したように80%を最大として差し替えを行います。)
とにかく、救済レポートをきちんと出して、夏休みの宿題をちゃんとやって、期末試験を受けて、期末の点数がやばかったら期末の救済レポートできちんとしたものを出せば、単位は出します! あきらめないで下さいね。
5月18日の課題
問題は実質9問です。最初の5問は正誤を問うもので、次の4問は簡単な計算です。計算の方は電子と陽子とでドブロイ波長と回折角を求めて貰っています。質量が増えるとどのような変化が生じるのかを感じて貰えればと思っています。解答と解説は締め切り後に掲載します。
※掲載もするとは思いますが、その前にMLの方に(授業中には個人宛にと言ったけれど)流そうかと思っています。
課題の解答・解説を掲載しました(6月22日)

受講者への連絡・注意事項

授業ノートのコンパイルについて
登録不許可者について(6月1日)
メーリングリスト開設のお知らせ(5月25日)(受講者は必ずMLに入ってください。)

4月12日(初回の注意・案内等)

今週のお勧め本(随時掲載)

・『虚数の情緒』 吉田 武 東海大学出版会
数年前に出た『オイラーの贈り物』の著者の手による大書です。私は現在通勤中に読んでいますので、体力増強にも役立っています。書いてあることが、全て正しいかどうかは保証しませんけれども、そして副題が「中学生からの全方位独学法」ですので、大学生の皆さん方のなかには不満に感じる人もいるかもしれませんが、読み始めれば、きっと止まらなくなる人もいると思います。安くはない本ですけれども、元は十分に取れる価格だと私は感じています。
・『元素の王国』 P.W.アトキンス 草思社 サイエンス・マスターズ6(7月7日)
今使っている教科書の著者による周期律表の解説書。元素の誕生までふくめて元素に関する知識がきれいにまとめられている。この本を読んでおくと、夏休みの宿題、期末テストには有利となる。
・『誰が原子を見たか』 江沢 洋 著 岩波書店(岩波科学の本)(4月13日)
ブラウン運動に始まりブラウン運動に終わる分子・原子という概念の確立を追実験をしながら追いかけた本。1970年代中頃に刊行された岩波科学の本の1冊。水銀を使ったトリチェリの実験の再現は、それほどの驚きではないが、秋川渓谷での水柱の実験や、水銀柱を用いたボイルの実験などは、ものすごい労力がかかっていて読んでいるだけで楽しい。これだけ手をかけた青少年向けの科学本は絶えて久しいのではないかと思う。
・『量子力学 I(第2版)』 朝永 振一郎 著 みすず書房(4月20日)
授業では厳密にやらなかった古典論で問題になる事象について、丁寧な、きちんとした記述がある。「本書はあまり急がないで量子論を勉強しようとする初学者のために書かれたものである。」という序文で始まるこの本をじっくり読んでいくと、いろいろな発見があると思う。

試験問題・解説

中間テスト問題(6月15日)
問題の量か少し多かったかもしれません。とはいえ、3次元井戸は出題予告済みですし、問1も過去問を眺めれば予想がついたのではないかと思います。問2と問4は傾向が変わっていたので過去問からは予想できなかったと思います。とはいえ、問4の方はベースとなっている教科書の章末問題をMLで示しているわけで、1.5問程度は予告があったと言えるだろうと思っています。
来週の授業時間に返却予定です。解説等はレポートの締め切りをまって6月26日午後以降に掲載予定です。(出る前に夏休みになっちゃいそうですねぇ…)
テストの得点分布
テストの得点分布です。ながめて焦らないでください。これは100点満点に換算した値です。ですから素点を5/4倍して比べてください。見方は100のところの3人は96点から100点の間の人の人数です。66点から70点の間の人がもっとも多かったことになります。採点していての感覚では70点以上とっていれば、授業の内容をだいたい理解しているように思います。
私の商売は、授業の内容を皆さんに理解して頂くことですから、中間テストで点が取れなかった人は理解が足りなかったと反省して勉強し直して分からないところを聞きに来てください。お待ちしています。

授業ノート(授業前の暫定版)

第12回:7月13日(7月10日掲載予定)
えーと、出来ていたのに掲載するのを忘れていました。というわけで12日午後に掲載の運びとなりました。掲載予定日を過ぎても出ていなかったら教えてくれればいいのに(^_^;)
第11回:7月6日
暫定版です。Texファイルです。
第10回:6月29日
言い訳はいくつかあるけれども(^_^;)、掲載できなかった…。すみません。
第9回:6月22日(6月19日初版)
基本的には昨年のノートを切った貼ったしている。ようやく、電子化したノートを使い回すという夢に見た状況になった。でも、きっと、授業やってみて訂正がでるんだろうなぁ…
第8回:6月8日 (6月6日初版)
2次元の井戸型ポテンシャルからの続き。トンネル効果を簡単にすませられて調和振動に入りたいと思っている。
第7回:6月1日 (5月25日初版、5月31日改訂版
ようやく先週で11章が終わって、今週から12章だ。非常に遅れてはいるのだけれど、ここまでの説明にかなり手間をかけた分、少し早く進んでもいいかなぁという気もある。それから、毎年話をしていたeikx=coskx+isinkxの説明(証明にあらず)を今年は省略しようかという気にもなっている…
第6回:5月25日
遅れ気味だった昨年より遅れている(^_^;)。でも、、それで理解が深まってくれるなら良いかなぁと思っている。今回は、取り落としていた波動関数の条件を最初に入れて、それから不確定性原理をこなして、できれば井戸型ポテンシャルに入りたいところだ。
第5回:5月18日
前回の授業では2つの進行波の運動量の計算までいったので、今回は波の重ね合わせとその場合の物性値の期待値の話をする。そして、波の重ね合わせを用いて、局在した状態が記述できること(名前だけフーリエ変換が出る)を示して、不確定性原理を紹介する。
第4回:5月11日 5月8日ごろ掲載予定:実際には5月9日掲載開始、10日午前8時40分に一応フィックス
次のステップを教科書の量子理学的原理にするか、それとも1次元井戸型ポテンシャルに持っていくがまだ定まっていない。そのあたりを決めて連休明けには掲載する(4月27日記)。
量子論的な効果が日常生活では何故観測できないのかを簡単な数値計算で考えた後に、波動関数の性質に関して、自由空間の粒子の波動関数を題材に検討を行います。
第3回:4月27日(α版:4月20日掲載、昨年のノートとは異なった展開で始まっている。)
古典論の破綻に区切りをつけて、量子論の話にはいっていきます。何と言っても物質波をどう考えるかが難しいところです。まず井戸型ポテンシャル、それから2重スリットの干渉を扱って、確率波の概念を導入したいところです。
第2回:4月20日(α版;4月13日掲載 4月19日、一部改訂))
今年は、昨年のノートをかなりコピー出来ると思っていたのだけれど、説明の手順を変えたので、最初からコピーが出来なくなってしまった(^_^;)。とりあえず、α版(別名、なぐりがき)として授業の予定箇所を掲載する(4月13日)
第1回:4月13日
1回目の授業は自己紹介と受講に関する注意と全体の予定の説明から始めます。その後、量子力学が物質を研究するのにいかに重要かを説明するのですが、これは何度やっても難しいと感じることです。

授業メモ及び授業ノート(授業後の改訂版)

第10回:6月29日(6月29日α版)
授業メモ等
授業ノート(ファイル形式がhtmlからtexになった。そうした理由は授業メモに記してある。)
第9回:6月22日
授業メモ等
改訂版授業ノート(導入部分を授業でやったことに合わせて少しかえた程度)
第8回:6月8日
授業メモ等
改訂版授業ノート(授業後の質問も含めて多少手をいれている。)
第7回:6月1日
授業メモ等
改訂版授業ノート(授業後の質問も含めて多少手をいれている。)
第6回:5月25日
授業メモ等
改訂版授業ノート(期待値の説明に手をいれた。後は、メモになっていた部分を多少書き足した。)
第5回:5月18日
授業メモ等
改訂版授業ノート(授業前のノートの前半部分となっている。多少は変更があるけど、あまり変わっていない。)
第4回:5月11日
授業メモ等
改訂版授業ノート(授業前のノートとあまり変わりはない。だいたいフィックスしていると思う。)
第3回:4月27日
授業メモ等
改訂版授業ノート(β版4月27日;授業内容にあわせてだいぶ手を入れている。図は存在していない…)
第2回:4月20日
授業メモ等
改訂版授業ノートのための覚え書き(内容の方向が大幅に変わったので、単なる改訂ですまなくなってしまった(^_^;))
第1回:4月13日
授業メモ等
改訂版授業ノート(作業中)

その他関連ドキュメント