Nabae Laboratory
- Organic & Polymeric Materials for Catalysis -
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芳香族ハイパーブランチポリマーによる固体触媒
Aromatic Hyperbranched Polymers as Heterogenous Catalysts

ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホンなどの芳香族ポリマーは耐熱性が高いポリマーです。我々は芳香族ポリマー にハイパーブランチ構造を導入し、その末端を活性点とした触媒材料を開発しています。このような設計により、活性が高い均一系触媒と、分離回収が容易な不均一系触媒の特長を併せ持った 新しいタイプの固体触媒が開発できます。

ポリイミド微粒子から作製するカーボン系非白金触媒
Pt-free Carbon-Bassed Cathode Catalyst Prepared from Polyimice Nano-Particles

固体高分子形燃料電池(PEMFC)は、水素エネルギーを高効率で電力に変換できるデバイスとして注目され、 燃料電池車(トヨタのミライやホンダのクラリティ・フューエルセル)、あるいはエネファームで実用化されています。 しかし本格普及のためには電極に使用されている希少元素(白金)の量を、劇的に低減する必要があります。 我々は白金を使用しない電極触媒として、ポリイミドなどの含窒素高分子を熱処理して得る、カーボン系触媒に注目しています。


ポリイミドは耐熱性に優れた含窒素ポリマーです。我々の研究グループは、ポリイミドを微粒子状に合成する技術、 およびその形状を維持したまま炭素化する技術を確立してきました。得られる炭素粉末はFeやNを含んでおり、かつ高い比表面積を有します。


上記のような方法で作製した炭素粉末を、固体高分子形燃料電池の空気極(カソード)触媒として利用すると、 白金を全く含まないにも関わらず優れた発電特性を示すことを実証しています。

反応電流の内訳を明らかにする新しいRRDE法
Novel RRDE Method to Correct the Quasi-Four Electron Reduction

上記に示したようなFe/N/C触媒上で、酸素還元反応がどのような選択性で進行しているかを定量的に明らかにする手法として、我々は新しいモデル(Nabae model) に基づいた解析手法を確立しました。酸素の直接4電子還元であるI1、酸素の2電子還元であるI2、過酸化水素の2電子還元であるI3 を正確に分離することができます。

グラフェン中のFeN4サイトを模倣した新規十四員環Fe錯体
Forteen Membered Macrocyclic Fe Complex Inspired by FeN4-Embeded Graphene

上記に示したようなFe/N/C触媒上では、グラフェン中に生成したFeN4構造が活性点として重要であると考えられています。我々は このような活性点の密度を飛躍的に増加させることを目指し、新規十四員環Fe錯体の設計・合成に、世界で初めて成功しました。

謝辞:燃料電池触媒の開発はNEDOの委託を受けて実施しています。現在推進してしているNEDOプロジェクト「十四員環型活性点の高活性化・高密度化による革新的非白金触媒の研究開発」は、 静岡大学、熊本大学、旭化成株式会社と共同で実施しています。関係各位に深く感謝申し上げます。


Contact & Place
難波江裕太 博士(工学)
東京工業大学 物質理工学院材料系
〒152-8552
東京都目黒区大岡山2-12-1 S8-26
南8号館805号室
Tel: 03-5734-2429

Yuta Nabae Dr
Department of Materials Science and Engineering
Tokyo Institute of Technology
Room805, S8 building
2-12-1 S8-26 Ookayama, Meguro-ku
Tokyo 152-8552 JAPAN
Tel: 03-5734-2429