ご挨拶
                               高分子工学科 学科長 石曽根 隆

 高分子工学科は、1962年(昭和37年)4月に全国の国立大学に先駆けて東京工業大学理工学部に設置されました。1967年4月には、理工学部が理学部と工学部に分離されて東京工業大学工学部高分子工学科となり、現在までに1700余名の卒業生を社会に送り出し、その多くは高分子を基盤とした各種産業界やアカデミック分野において幅広く活躍しています。2012年には50周年を迎え、創設50周年記念同窓会を開催いたしました。
 高分子の科学に関する概念が確立されたのは1920-30年頃と言われており、100年にも満たない短期間に高分子科学は急激に発展してきました。高分子分野では、今世紀に入っても次々と新しい概念が生まれており、社会的な要求も高くなるばかりで、全く錆びついていない学問領域と言えます。
 高分子工学科では「高分子」の研究を化学的・物理的な視点から研究し、高分子に関するエキスパート(技術者、研究者)を育成してきました。高分子を専門的に扱っている学科は全国的に見ても希少であり、オンリーワンの教育を行ってきたと自負しております。
 しかしながら、2016年4月に行なわれた本学の組織改革により、「学科」の概念がなくなり、高分子工学科という枠で新入生を受け入れることができなくなりました。高分子工学科の名前は、現在所属している学部学生が卒業するのと同時に、その役割を終えることになります。
 一方で、これを機会に正式な高分子工学科の同窓会「れんさ会」が発足され、連携を深めていくことになりました。多くの皆様の御協力を得ながら、2016年8月6日(土)に本学蔵前会館において第一回同窓会の開催し、本年も8月4日(土)に第3回れんさ会の開催を予定しております。
 関係教員の組織名は変わりますが、引き続き高分子科学に関する世界最先端の研究を推進していくとともに、高分子科学に関する最高レベルの教育を通して、高分子に関する次世代の科学技術を支える人材の育成に努めて参る所存ですので、今後ともご支援の程、宜しくお願い申し上げます。