ハイパーブランチポリマー
「リビングラジカル重合によるポリ(メタクリル酸エステル)ハイパーブランチポリマーの生成反応論と構造特性」
これまでのビニルベンジル型のイニマーに対し、本研究ではメタクリレート型のイニマー2を用いてハイパーブランチポリマーの合成を行った。このイニマー2の単独、及びエチルメタクリレートとの共重合においていずれもハイパーブランチポリマーが合成され、共重合の仕込み比を変えることでその分岐間鎖長を容易に制御することができた。

このハイパーブランチポリマーの慣性半径Rgと分子量の関係は、慣性半径は分子量の0.329乗に比例することがわかった。これはGrestらによるデンドリマーでの理論的な値0.33にほぼ等しく、このことから得られたハイパーブランチポリマーはデンドリマーと同様に3次元的に均等に成長し、球状の形態をとっていると考えられる。

次に前述のイニマー1と同様に速度論的な結果からの分岐度を求めた。イニマー2の成長末端では、主鎖方向の重合であるのカルボニル基のα位に位置するDC基(kA)と、側鎖方向の重合であるアルキル基に位置するDC基(kB)の二つが存在する。ラジカル生成の割合を考えると主鎖方向へ優先的に重合が進行すると考えられ、ビニルベンジル型での考察と同様にモデル化合物を合成しそれぞれの重合開始速度を求めた。その結果それぞれの反応性比はおよそ2.37倍となり、この値から求めた分岐度DBは0.5となった。この反応性の違いはそれぞれのモデル化合物の電子密度計算による結合エネルギーが明らかに違うこととも一致している。

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