ハイパーブランチポリマー
「リビングラジカル重合による交互ハイパーブランチ共重合体の合成と溶液特性」
前述のイニマー1とマレイミドとのUV照射による共重合により、ハイパーブランチ共重合体を得た。様々な仕込み比から得られたハイパーブランチポリマーのマレイミドの組成はいずれも0.5程度であることからこの重合は交互共重合(r1=0.15、r2=0)であることが確認された。この結果はスチレンとマレイミドとの共重合が交互共重合体を生成するという結果と同じであり、両モノマー間のdonor-acceptorによる電荷移動錯体が一つのイニマーとしてふるまい、その結果ハイパーブランチポリマーを生成したと考えられる。
この交互ハイパーブランチ共重合体の溶液中での拡がりを粘度測定により求めた結果、同一分子量の直鎖状高分子との固有粘度値の比g’値が0.63〜0.83であり、直鎖状高分子よりも拡がりが小さいことが示された。そして動的光散乱測定を様々な角度で測定したところその角度依存性が見られず等方状の形状、つまり球状であることが確認された。また、小角X線散乱測定と動的光散乱測定によりそれぞれ求められる慣性半径Rgと流体力学的半径Rhの比(Rg/
Rh)は0.8程度となり、剛体球に近い構造をとっていると考えられる。これはハイパーブランチ共重合体の高度に分岐した樹枝状の分子構造のゆえに、セグメント密度の高い非素抜けな剛体球に近い構造であると考えられる。

Ishizu, Koji; Takashimizu, Chisato; Shibuya, Takeshi; Uchida, Satoshi.
Synthesis and solution properties of alternating maleimide/styrene hyperbranched
copolymers via controlled radical mechanism. Polymer International (2003), 52(6), 1010-1015.
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