ロッド-コイル型ブロック共重合体
1.はじめに
一つの成分が剛直鎖からなるrod-coil型ブロック共重合体は、その会合挙動やミクロ相分離挙動において一般的なcoil-coil型ブロック共重合体とは異なる挙動を示すことが報告されている。当研究室では剛直鎖としてポリイソシアナートを用い、そのミクロ相分離構造の形成について研究を行っている。
ポリイソシアナートはアミド結合のみからなる主鎖構造(ナイロン-1)をもち、らせん構造を保持することから分子自体は剛直鎖としてふるまい、液晶性および強い結晶性を示すことが古くから知られている。PHICサンプルのX線回折実験ではPHICが12/5のらせんコンフォメーションをとり、固体状態で結晶性を持つことが報告されている。
イソシアナートの重合方法としては、従来よりシアン化ナトリウム(NaCN)などを開始剤に用いたアニオン重合法が知られていたが、アニオン重合は温度や真空などの重合条件が厳しいという欠点がある。そこでNovakらによって有機チタンを触媒とした配位重合法が新しく提唱された。この方法では、四塩化チタンのようなチタン化合物にトリフルオロエタノールのようなアルコールを反応させて開始剤を合成し、これを用いてイソシアナートを重合して目的とするポリマーを得る。四塩化チタンの他に、メタロセン系の触媒でも重合可能なことが確認されている。この配位重合法はアニオン重合法よりも分子量制御、重合操作が比較的簡便となっている。

2.最近の研究
「配位重合による末端官能性ポリイソシアナートの合成」
「ポリイソシアナートを剛直鎖とするロッド‐コイル型ブロック共重合体の合成とミクロ相分離構造」