
Hofmeister Seriesの機構解明

疎水性水和への特異的イオン吸着
この現象は古くより経験的には知られていましたが,いまだにその機構は明らかとなっていません。 その経験則によれば強い水和のアニオンほど疎水性基質/水界面から排除されるので塩析効果を示すのに対し,I-やSCN-等の弱い水和のアニオンは吸着されるので塩溶効果を示します。 一方,カチオンは一様に排除される傾向にあるので,すべて塩析効果となり,イオン種特異性はアニオンほど顕著となりません。 この点はH.S.のカチオン/アニオン非対称性に一部対応しており,H.S.の機構としてはかなり有力です。
下に,この傾向を示す例として,メタン/水/イオン系のMDシミュレーションより得られたメタン周りのイオンの動径分布関数を示します。 (図1)カチオンではすべて水分子を隔ててメタンと接しているのに対し,アニオンではF-を除き,直接接していることが分かります。 また第一ピ−クの高さからもその傾向のイオン種依存性がアニオンで顕著なことが分かります。

図1.メタン4分子/イオン4対/水256分子系におけるMDシミュレーションにより得られたメタン周りのイオンの動径分布関数。(a)カチオン,(b)アニオン

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